「匠技補修」でSpecialな補修、随時紹介①釉調の変化に対応
補修タイルの中で、技術にこだわって再現できた特徴ある補修物件や、やきものとして興味深いSpecialな補修タイルを「匠技補修」としてご紹介していきます。
■伝統的な、なまこ釉の小口タイル
①釉調の変化に対応
釉調にかなりの変化がある釉薬のタイルです。
このようなタイルこそ、
補修用に近似色を探すのはなかなか困難で、再現へは熟練の職人の腕の見せ所です。
元見本タイル
なまこ釉は、長石、灰に少量の銅とコバルト、マンガン、鉄といった金属系原料を加えて出る混色で、使用原料と配合比、焼成方法によって、釉調に変化のある伝統的釉薬です。
とくに、焼成によって、灰による乳濁具合とボディーの土味が表面やフチに浮き出るさじ加減は、微妙です。
元見本タイル
同じ釉薬でありながら、このように4種類の色が出、また1枚のタイルの中にも変化がみられます。
このタイルの再現にあたって、釉薬の調合もさることながら、スプレーによる施釉掛けの技術を駆使しました。
できあがったのが次の写真です。
写真上側が元見本タイル、下が再現タイルです。
この補修タイルの詳細写真は製作例からもご覧頂けます。
外壁タイルにも、時代によって流行があります。
器に使われるような伝統的な釉薬の小口タイル(60mm×108mm)は30年程前によく見られた味のあるタイルです。
補修用タイルの需要はメンテナンスの時期を迎えた10年~30年程前の建築物になります。
タイルにも時代によるデザインの流行があり、実に様々な種類のご依頼にお応えしてきました。
近似色を探すのは不可能です。確実な技術で再現した方が早いと言えましょう。
どのようなタイルでも一度、元見本をご提示戴き、ご相談下さい。
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