北海道N社様からのご依頼品です。
<建物から剥がして送って頂きました>
このタイルは無釉タイルです。この無釉タイルに合わせた施釉タイルを作ります。
<2回目の色合わせです>
たくさんタイルのピースがありますが、すべて違う釉薬なんです。
さて、この中で現場から送って頂いた”元のタイル”はどれでしょう(笑)
グレー系の色ですが、赤味が強かったり、緑系が強かったり、またテカリの具合も
調整しなければなりません。結構修正には気を使います・・・
最終的にはご注文を頂いてから、最終の色合わせを行います。
<完成しました>
18個のうち、真ん中の列上から3個目が元の無釉タイルです。タイル裏面にモルタルが付いていますので、若干浮き上がっているのが分かると思います。 テカリ具合もギ石の入り具合もまあまあの線。窯から出て来た時、ホッとしました。。。 「無釉タイルに合わせた施釉タイルを作りますので、微妙に感じが違いますから、その点ご了承下さい」とお客様には申し上げていたのですが、作る側としては「そっくりにせねば!」といつも思います。 これからこのタイルを、ジャンブル作業(タイルをピースごとに混ぜて焼き物特有の色むらなどを平均化させます)を行い、次の工程である接着曲を作ります。 補修タイルの場合、役物タイルは平タイルを接着加工して作る事が多いです。これは、平タイルから加工すれば、平とコーナーの曲などのタイルが基本的に同じ色となるためです。 接着加工は、協力加工会社さんに作ってもらいます。
これと比較し、コーナーの曲などのタイルを接着ではなく一体物のタイルを作る場合もあります。確かに一体物は継ぎ目のないコーナータイルですから見た目はいいのですが、生産工程が平タイルとは別々になります。直角に曲がったタイルの生地に釉薬をかけますので、平タイルとは若干釉薬のかかる角度が異なる事と、窯に入れる際の焼き台である「さや」も、平と役物では形状が違います。形状が違うという事は、火の回り具合も違ってきます。お値段も一体物は多少高額になりますので、初めにお客様に説明して、『接着役物』か『一体物役物』かは選んで頂いています